真珠の種類と選び方

真珠の種類

あこや真珠
日本で生産されている真珠のほとんどはこのあこや真珠であり、主要生産県は長崎県、愛媛県、三重県。
色はおおまかに分けるとホワイト、ピンク、グリーン、ロゼ、クリーム、イエロー、ゴールド、ブルーなどが産出され、形はラウンド、セミラウンド、セミバロック、バロックなど様々な形が採れます。

黒蝶真珠
クロチョウガイから産出される真珠。生産されるサイズは主に7mmから16mmです。
生産の大半は仏領ポリネシア(タヒチ)で占められ、クック諸島、 ニューカレドニア、日本では沖縄県の石垣島や西表島でも生産が行われております。
色はブラック系、ブルー系、グリーン系、レッド系、ブラウン系、イエロー系、ホワイト系が産出され、形はラウンド、オーバル、ボタン、ドロップ、サークル、バロックなどバリエーション豊かな形の珠が採れます。

白蝶真珠
シロチョウガイから産出される真珠。生産されるサイズは主に8mmから18mm。
主要生産国はオーストラリア、インドネシア、フィリピンにて、この他にもマレーシア、ミャンマー、タイでも生産が行われ、日本では鹿児島県奄美大島、沖縄県にて生産されています。
色はホワイト系、シルバー系、ブルー系、ゴールド系、イエロー系、クリーム系などが産出され、形はクロチョウ真珠と同様にラウンド、オーバル、ボタン、ドロップ、サークル、バロックなどバリエーション豊かな形の珠が採れます。
白蝶真珠は生産国によって特徴が異なり、オーストラリア産はサイズが全体的に最も大きく、色ではホワイト系やシルバー系が中心に採れます。
インドネシアやフィリピン産はオーストラリア産に比べサイズは小ぶりですが、ゴールドやイエローの色の産出比率が高いのが特徴です。
以上 のようにシロチョウ真珠は産地の海の環境によって特徴的な珠が産出されます。

淡水真珠
ケチョウ貝やヒレイケチョウ貝などの淡水に生息する二枚貝から採れる真珠で、市場に出回る大半のものは中国産です。
淡水真珠の大きな特徴は、無核真珠で中心まで全て真珠層です。
そのためオーバル、ドロップ、ボタン、ラウンドなど、バラエティー豊かなかたちを楽しめます。
大きさは2~10mmまでさまざまでカラーもホワイト、パープル、オレンジなど。
近年は、養殖技術の向上で有核で10mm以上の大珠も出回るようになりました。




主な品質評価項目


形においては真円(パーフェクトラウンド)に近いものほど産出量が少なく希少性が高いため、評価が最も高くなり価値があるとされます。
また、変形とされる形においても特にシロチョウ真珠に見られるティアドロップシェイプと呼ばれる整った涙型の形をした真珠も生産数の稀少性から、評価が高くなります。

テリ
テリとは真珠の持つ光沢や輝きを示します。
前述したようにマキの良い真珠には真珠の内部に特有の干渉色をご覧頂くことができます。
干渉色は光の屈折や透過によって見える色であり、マキと密接な関係があります。
テリの評価が高い商品は【マキ】と同様、質の良い真珠層によって形成されている ことが条件となり、真珠内部に強い干渉色が見える珠を示します。

マキ
真珠の「マキ」とは真珠層がどのように・どのくらいの厚さで形成されているかを示します。
質の良いキメの細かい真珠層によって形成された真珠には、真珠の内部から発する深い輝きがご覧いただけます。
例え、マキの厚さが良くてもテリの無い真珠は、真珠層の質が影響を与えているためです。
そのため、マキの評価の高い真珠とは質の良い真珠層によって形成され、真珠の内部に深い光沢を持つ珠となります。マキの評価は熟練の目が必要となる要素です。

キズ
真珠の表面に見られるへこみや突起、シワなどを「自然キズ」と呼びます。
真珠のポツンとしたへこみはエクボと例えられ多くの消費者様も 一度は耳にしたことがあるとは思います。
また、養殖後に行われる様々な加工や処理途中に出来るキズを「加工キズ」と呼びます。
品質評価ではキズが少なく艷やかな珠になればなるほど、評価は高く希少性の高い品となります。
品質評価ではキズの数、位置、大きさ、キズの種類を見極め評価されます。


真珠の色の品質評価は各真珠の種類によっても大きく異なります。
各真珠の種類の中でも、産出量が極めて少なく稀少とされる色が高く評価される傾向や時代のニーズなどによっても評価が変わる傾向があり、流動的な評価となります。
サイズ
サイズは真珠の品質要素ではありませんが、価格や希少性において重要な要素となります。
珠のサイズが大きくなればなるほど、産出量が減少していき希少性も増す点から評価が高くなります。